今回は、恩田陸さんの著作『蜜蜂と遠雷』について話します。
2017年度本屋大賞と直木賞をW受賞した本作。
最初から最後まで本当に読みやすい。
四六版の二段組で500ページもあるのに一瞬で終わった。
これまで同様好き勝手に書いていますし、ネタバレも多くあります。
生理的に受け付けないよっていう方はそっ閉じしてくださいね。
あらすじ
災厄と呼ばれる少年と、かつて天才と呼ばれた少女が主人公の、ピアノコンクールをめぐる物語。
この二人以外にも主人公っぽい立場で描かれる2人がいる。
4人のピアニストが、音楽をするが故の孤独と競争、人間関係、周囲のサポートを痛感しながら成長し、音楽と自身の人生への洞察を深めていく。
あらすじを深めると固有名詞が羅列されるだけのようわからんもんになると思いましたので、
これくらいにしときます。
色々
今回は解釈というよりは感想と楽しみ方メインで書きます。
たぶんほぼ日記みたいなもんです。
この作品について
この作品は終始ピアノコンクールにまつわる物語になっています。
このブログを読んでいるもの好きな人って、ピアノのコンクール行ってたりするんですか?
私はミュージカルとか美術館とかは行くこともあるのですが、コンサート、特にピアノに関するものは行ったことがないですね。
行ってみたい気持ちは強いのですが、やっぱり敷居が高いじゃないですか。
ドレスコードがあったり、そもそも学生のお財布には厳しいですよ…
それでも「行ってみたい!」と思ってしまうような作品なのがすごいところですよね。
(実際、キーシンが来日するということを知って、行くか迷いました。売り切れていました)
ピアノの音楽は以前から大好きだったのですが、頑なにコンサートには行かない私をここまでにする作品。
すごいと思いませんか?(私が影響受けやすいだけでしょうか)
用語難しくなかった?
まぁ音楽の授業でちゃんと聞いていれば、困らないのかもしれません。
ネットで調べても理解できない、というほどの用語は出てきませんでした。
それになんとなく「こんな雰囲気なのかな?」と掴めるように描写がキチンとされているので安心です。
CDあるよ
この本を読もうと決めたとき、もうひとつ買ったものがあります。
それはこの本に出てくる楽曲録音したCDです。(Amazon リンク)
たぶんピアノのCDにしては破格で買えるのではないでしょうか。
なんといっても、演奏者によって雰囲気が違うのだとはっきりわかる構成になっています!
YouTube で調べてピアノの演奏を聞くようになったし、人生が広がった本ですね。
小学生のとき美術館に初めて行って絵画の前で泣いたのと同じくらいの衝撃を受けました。
ちなみに絵は描けません。
感想
ひとまず分量に圧倒されましたし、読み切れるか不安でした。
2段組の小説であってはならない分量ですからねあれ。
でも、一瞬で読み終わりました。
どのページを見てもワクワクが止まりません。
音楽、というより芸術の喜びを文章で表現するのは容易ではありません。
多くの場合、それは身体感覚も伴うからです。
絵画を見たとき涙がこぼれた感覚を文章で表せと言われても、きっとそのままを描写することはできません。
それでもこの作品では、身体から沸き起こるような歓喜を文章から体験できます。
足りなければCDで音楽を聴きながら読んでください。
いままでにない読書体験になることでしょう。
ちなみにこの本は続編があるのですが、そちらも必見です。
本編と比較すればかなり短いので、まだ読んでないよという方も是非!
『蜜蜂と遠雷』のリンクはこちら。
CDのリンクはこちら。
続編『祝祭と予感」のリンクはこちら。
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